『中小企業の社員さんに光をあてたい』

豊友会 初代会長 高木利美 氏

 豊友会の歴史は、初代会長の故・高木利美氏が『中小企業の社員さんに光をあてたい』という想いから、全国の社長を鍛える勉強会として始めた高木塾(1988年 豊友会の前身)に端を発しています。そして現在の団体となる豊友経営研究会(豊友会)は、その翌年に発足しました。

 会社を経営するには指針となるものが必要です。会社が今後どのような方向に向かって行き、どれだけの売り上げを目指し、どれだけ利益を還元するか……。その指針となるのが経営指針書です。つまり経営指針書は、会社にとって羅針盤とも言うべき大切なものです。また、中小企業における経営指針書は社長の「人生の指針書」でもあります。

 豊友会は経営指針書を作る会と明言するほど、経営指針書を重視しています。「経営は人間学」といわれるように、よき師、よき友をみつけ、互いに切磋琢磨していくことが大切です。豊友会は、人間性を磨き、関わる人全ての方を幸せにする経営を学ぶための、相互扶助型のネットワーク組織です。

初代会長 高木利美氏の人柄とその教え

 豊友会には30年以上在籍している古株の経営者がたくさんいます。岡山香川豊友会にも創設時のメンバーが何人もいます。その方々が口を揃えてこう言われるのです。

 「高木会長は、はちゃめちゃなことを言うが、後からその教えの正しさに気が付く」「手取り足取り教えてくれるわけではないが、気付くキッカケを常に与えてくれている、ところが自分のレベルが低い時はそれに気が付かない」「原理原則から外れたことをしていたら厳しく叱られる」「嘘は簡単に見抜かれる」「厳しいが温かく見守ってくれており、決して見捨てない」

 まさに、豪胆さと、人の心の機敏が分かる繊細さを併せ持ったお人柄なのがよく分かるエピソードです。そんな高木氏のエピソードは、数え上げるときりがなく、豊友会の先輩方はことあるごとにそんな話をします。

 高木氏の教えの根底には、必ず「原理原則に沿っているか」という判断基準があります。原理原則とは、『根本となる仕組み、基本的な規則や法則の事』と説明されますが、簡単に言えば、「当たり前のことを当たり前にする」ことです。
 また、「将来、自分はどう在りたいのか」という夢や目標、つまり、自分の生き方を決めること……決断の大切さも説いていました。しかし、その夢や目標が身勝手なものであってはいけません。自分の周りも良くするような夢や目標であることが求められます。
 そのため、豊友会で作る経営指針書では3つの基本方針である、社会性の基本方針(社会にお役に立つための考え方)、科学性の基本方針(会社が継続発展するための顧客に対する考え方)、人間性の基本方針(社員、組織的な事柄に対する考え方、人間的成長)を定めます。

 中小企業の社会貢献は、雇用と納税にあります。そのため、儲けて存続し続けなければいけません。そのためには、財務をしっかりとすることは必須です。当たり前と言えば当たり前ですが、これがなかなかできないのが中小企業の経営です。高木氏は財務についても厳しく指導しました。この当たり前のことができていないと、夢や目標は絵に描いた餅になってしまいます。高木氏の想いである、中小企業の社員さんに光をあてることができる企業にはなれません。

■ 高木会長の教えをメールマガジンとして配信しています。多くの気づきを与えてくれる珠玉の名言ばかりです。本部サイトからご登録ください。

「経営の原理原則を学ぶ 豊友会 百言集」

『仕事の成功者で終わるのではなく、人生の勝利者を目指しなさい』

 高木氏の教えを最も端的に表した言葉が、『仕事の成功者で終わるのではなく、人生の勝利者を目指しなさい』という言葉です。長年、岡山香川豊友会を引っ張って来た甲斐尊美顧問は、この言葉をわかりやすく紐解いています。「人間は仕事に関わる時間が一番長い、そして仕事が一番楽しいわけではない。しかし、その仕事をいかに楽しめる自分になるか、そこに大きな違いが生まれてくる。これが、自己実現により、自分の人生を仕事の成功だけで終わるのではなく、人生の勝利者に至る道だと考えている。」
 このような高木氏の想いを継承する豊友会の会員の企業理念には、単に会社の発展を目指すだけではなく、社員も経営者も、会社を通じて人間性を磨くという意味を持った理念を掲げている会社ばかりです。

「社長の器以上に会社は良くも大きくもならない」

 経営の世界でよく言われることですが、会社は経営者の器以上に良くも大きくもなりません。そして経営者の器というのは、下の公式で表されます。

 社長の器=「意欲」×「能力」×「人間性」

 豊友会では、この3つを高め、志をもち、人間としての器を拡大することで、その社長の元で働く社員を幸せする会社を目指します。ですから、豊友会の会員は全て顧客第一主義ではなく、社員第一主義を掲げています。
 そこで重要となるのが、社長の性格です。経営には社長の性格が如実に現れます。慎重であったり、大胆であったり、人に対する姿勢にも、財務にも、営業にも、経営判断が必要な場面全てにおいて、良くも悪くも社長の性格は影響します。ですから、社長は自分の性格のクセ(特徴)を自ら知らなくてはなりません。どんな場面でどんな性格が顔を見せるのか、その時、どう対処(考え方を変えたり、自分の感情をコントロールしたり)したら良いのか。普段、何気なく出てしまう自分の性格が、周りの人や状況に対して、どのような影響を与えてしまうかを把握し、悪い方に傾かないようにコントロールする必要があるのです。

短期勉強会のご案内

2024年8月からスタートする、短期利益計画の構築を目指す「短期勉強会」の参加者を募集しています。
 短期勉強会は、主に決算書の見方がわからない方、数字が苦手な方、入会間が無い方が、基本を学ぶ場となっています。

 1年間をかけて、偶数月には「粗利益と固定費」「粗利益と労働生産性」「投資と減価償却費」「投資と営業キャッシュフロー」「法人税と自己資本」「借入金と返済(財務)」を学び、奇数月には、先輩の経験談からより実践的なケーススタディを通して学びを深めていきます。

 参加資格は、岡山香川豊友会の会員および経営幹部(例会参加者)となっており、年間の定員は10名です。